■「ピッカピカの進学校」って
東大何名合格とか様々なランキングや物差しがありますが、私の中での基準は私立最難関大学への指定校推薦枠の「余りかた」ですかね。この話をすると、「ちょっと変わった見方ですね」なんてよく言われます。
私は学校や学習塾などを見る際には、その集団の「スタンダード(標準)」を一番重視します。そのスタンダードが世間のそれに比して高いか低いかで、その場所の価値が決まるように思いますね。
指定校推薦についていえば、早稲田や慶応、上智などの大学側がそれぞれの指定先高校に対して学力の評定基準を示します。たとえば評定基準4.2とした場合にこの基準値をクリアしている者に推薦入試に応募する資格があるわけなんですが、高いスタンダードにある高校でこの基準をクリアしている生徒にとっては、魅力的なものにはならないんです。この生徒たちからすれば、わざわざ指定校推薦なんて利用しなくても一般入試で合格が可能ですし、もっと上位の東大、一橋大などにそこそこの確率で合格できるわけです。一方で、これが魅力的に映る生徒はこの評定基準に届いていないため、指をくわえて見ているしかない・・・したがって指定校推薦の枠が余ってしまうわけなんですよね。
逆に、スタンダードが低い高校の場合では、学内でその評定基準を満たしていても、そんな大学にはとうてい一般入試での合格はできそうもないために、この推薦枠はたいへん魅力的なものになります。たった1名の枠に希望者が殺到し、奪い合いになったりすることもあるでしょう。なんだか、「蜘蛛の糸」のような光景が目に浮かんで、少々切なくなっちゃいますよね。
ここ十数年来の入試制度改革の成果もあってか、都立高校の中にもこういった「ピッカピカの進学校」が見られるようになりました。私の知る限りでは、都立日比谷と西がすでにこのレベルにあるようです。
Takahide Kita