■「働き方改革」大丈夫かなあ?
最近よく目や耳にしますよね、残業時間を月100時間以内か、100時間未満かで長々ともめていたあれです。確かに日本の労働生産性については、以前から問題視されていましたから、そこにメスを入れることは大事なことなんでしょう。私の記憶が正しければ、アメリカやドイツに比べて、通貨換算(USドル)ベースで70%程度だったと思います。労働生産性は生産価値を労働時間数で除したものですから、労働時間を短くすればその値が上がるといった考え方なんでしょうが…ほんとうに大丈夫かなぁ、と少々心配になっています。
産業構造シフトによる生産価値の向上や労働分配率の改善を進めるのが先じゃあないかな、と思えてならないんですよね。
以前にも勉強のやり方改革なんてやったじゃないですか。例の「ゆとり教育」ってやつ…教育内容の効率化や学習手法などの質の方はそのままにして、量や時間を削りましたよね。
それで、どうなったんでしたっけ?
もたらされたものは基礎学力の低下、ストレス耐性の後退、そして極端な学力状況の二極化といったところでしょうか・・・。
現在の日本の労働市場は、完全失業率が欧米では考えられないような2%台に突入し、有効求人倍率も1.43倍とはなっていますが、まだまだ労働集約タイプの産業や職場が多いと思うんですよ。そのまま労働時間だけ短縮したら、やばいんじゃないかな。生産量(売上)だけ低下するか、そうでない場合は、能力的に出来る人がその分をカバーしなければならないような状況になるような気がするなぁ。
そこはシンプルに、「もっと考えて、もっと働いて、もっと稼いで、もっと使え」でいいと思うんですけどね。
「この国には資源が乏しい、いわば人が資源だ!」なんて育てられた私からみれば、教育はGDPを押し上げ、豊かさを掴み取るための一番の要所だと思っています。日本からそれを学んで、先鋭化させたシンガポールのようにやれ、とまでは思いませんが。
だって、仕事も勉強も同じで、今を楽してその先に「豊かさ」や「幸せ」はないでしょ。小学生でもわかる理屈だと思いませんか。
Takahide Kita