■第一志望合格率90%ってなに?
例年、入試の時期が終わると学習塾の広告(チラシ)が新聞に折り込まれてきます。たまに「圧倒的合格率!第一志望合格率90%!」なんて見出しが目に入ります。
私の場合、入学試験での第一志望合格率なんてあんまり考えたことがありませんでしたし、そもそもこういったフレーズは好きじゃないですね。
というのは、しっかりと勉強を進めていけば第一志望なんてものはどんどん変わってきます。日大系付属が第一志望といって入塾した生徒が中央、立教、最後は早稲田なんていうように志望校の上方修正をくりかえした例をあげれば枚挙に暇がありませんからね。入試が始まったあとに第一志望の上方修正なんてのもよくあることです。
かつて担当したクラスで在籍全受験生が早慶付属以上に合格したことがありましたが、開成第一志望の子が開成×、学大付属○、慶応義塾第一志望の子が慶応志木と早稲田実業にしか合格できなかったりなど・・・結果、第一志望合格率は60%程度だったと記憶しています。
中央や立教を確実に通そうとすれば、その子に早慶水準の指導をしなければなりません。その指導をしっかりと効果あるものにするためにはその子自身が強く「早稲田に合格したい!慶応に通いたい!」と思うことが必要です。そうなった時点ですでに第一志望が変わっているわけですから、今度は早稲田や慶応に合格しなければ第一志望合格にはなりませんし、完全な達成感は得られないということになります。ある意味で両刃の剣のようになってしまいますが、このリスクをとらなければ子供たちの力を伸ばしきることはできないようにも思えます。
「第一志望合格率90%!」私に言わせれば、こんなの意味のない単なる数字と言葉の遊びにすぎませんね。なにより胡散臭いでしょ。ちなみに本年度入試PEG1期生の第一志望合格率は30%といったところでしょうか。さらに私個人の場合、中学入試から大学入試、資格試験まで通じて第一志望合格率は0%でした。
Takahide Kita