コラム

■ようやく「酔芙蓉」に再会できました!

私の好きな花のひとつに酔芙蓉というのがあります。芙蓉の一種ですから、夏の終わりごろから秋にかけて開花するんですが、この花がなかなか風流なんですよね。

朝のうちは真っ白な花なんですが、午後になると薄くピンク色に変化して、夕方にはもう完全なピンク色の花になっちゃうんです。そうです、だから「酔芙蓉」なんですよ。

昼過ぎからお酒を飲み始めて、だんだん赤ら顔になって、夕方あたりには出来上がっちゃうというわけです。

以前、うちの家にもありましてね。初秋の休みの日なんかには、まだ暖かいので、バルコニーの長椅子に座って、この花を見ながらビールを一杯やるんです。まあ、花と一緒に酔っていく感じで、とっても心地よかった記憶があります。

5年前、引っ越す際に荷物を減らそうとして、ご近所の方にもらっていただいたんですよね。その後、折にふれてまた手元に欲しいなあ、とは考えていたんですが、これがなかなかめぐりあえずにそのままになっていたんです。

先日、私としてはほんとうに珍しいことなんですが、仕事の合間に小腹が空いちゃいまして、会社の近くのラーメン屋に行ったんです。その帰りに信号待ちをしていたとき、ふと花屋の店頭に目がいきまして・・・「おおっ!酔芙蓉、やっと見つけた!」といった具合いです。しかも、最後の一鉢だったんですよね。久しぶりの再会で、少しばかり感動しちゃいましたよ。

suihuyou

確かこいつは寒さにはそんなに強いほうではなかったと思いますから、これから冬に向けて、ちゃんと面倒をみてあげなければなりませんよね。

PEGでは今週も新たに2名の新規入塾があり、私たちの責任感を向ける対象が2名増えたわけなんですが、それに加えて私の担当する子供が一人増えたような気持ちです。

Takahide Kita

■Nicherとしての矜持

「選択と集中」、大手企業などで利益を出していくための一つの経営手法として、最近よく使われるようになった言葉です。利益を生み出すであろうと思われるフィールドにヒト、モノ、カネをシフトして、そうでないフィールドからは引きあげる。

ただ、これって必ずしも成功するとはかぎりません。日本の大手電気機器メーカーなんかも、かつての花形分野であった家電製品やパソコン事業から次々と撤退し、あるものは社会インフラ事業に力を集中し、大成功をおさめました。一方で、あるものは原子力事業に向かい、またあるものは液晶パネル事業に徹底的にこだわり、残念ながらこちらは致命的な失敗を喫して大きな社会問題にまでなりました。

たしかに、スクラップアンドビルドは資本主義の大前提ですし、そこから社会的により良い有意義なものが新たに生まれてくれば、こんなに素晴らしいことはありません。

しかしながら、私たちの教育関連の場においても最近ではこの種の「選択と集中」的な手法が少しばかり目立つようになってきたと感じています。学習塾も大手をはじめとしてあくまで企業体で、その目的は利潤の追求ということになりますから、ボリュームゾーンに向かうのは当然のことなんでしょう。

ただ、そこでの問題は選択と集中という言葉の裏で、切り捨てられる部分なんですよね。電気メーカーなどではその部門を切り離して、他社に売却するなどできるのでしょうが、ことが教育となると、そう簡単な話ではなくなってきます。その塾の運営方針であるとか、授業の枠組み(これを学習塾では「要項」といいますが)を見定めて、保護者のみなさんは数ある学習塾の中からその塾を選び、わが子を託すわけですから、その枠組みがたびたび変更されたりすると、そもそもその場にいるべき前提が崩れてしまい途方にくれてしまいますよね。自分が目指している目標に沿ったコースが来年度からはなくなります、なんてある日突然知らされるわけですから、「裏切られた」と感じる場合もあるかもしれません。もちろん、塾の担当者は「大丈夫です。新しくできるこのコースでも十分に対応できますよ。」なんて説明なさるんでしょうけどね。まあ、そう言うしかないですからね。

そういった中にあって、私たちはボリュームゾーンを狙って利潤を追うことをせず、塾側の都合を押し付けないことを生徒や保護者の皆さんに約束しています。まあ、幸か不幸か学習塾の規模が小さいおかげで、社内に扶養家族というか扶養社員が存在しないがゆえにできると言ってしまえばそれまでなんでしょうが。身の丈にあった校舎運営や生徒募集しかしていませんから、一気に教室数を増やして、にわか作りの講師を促成栽培する必要などもありません。

他が決して真似できないようなことをやりきる。内申点がオール2や3でどうしていいかわからなくなってしまっている、全く勉強に気持ちが向かわない、そんな子供たちに「なぜ勉強するのか」から語っていく。効率的な授業の受け方やノートのとり方を一から指導していく。そして、一人ひとりの子供たちの未来予想図を示し、結果として上位難関といわれるような学校に進学していく。

こういったNichな分野における力仕事こそが本当の意味での「人をつくり育てる」ことだと私たちは考えているんですよね。そして、そのフィールドにおいて他をもって替えがたい「Only one」でありたい。そういったNicherとしての誇りを忘れることなく、これからも私たちグループの存在価値を高めていきたいですよね。

Takahide Kita