コラム

■意識がそこになければ、つかめるものもつかめない

「自分には運がない、チャンスがめぐってこないよなあ・・・」ってしばしば耳にするフレーズですよね。

私は、チャンスなんてものは皆に等しくめぐって来るものだと思っています。ただ、そこに意識がないような場合は、自分が今「好機」にあることにすら気がつかないですよね。なによりチャンスが訪れたときに備えて、それを掴み取るための準備を怠らなければさらに成功への確率を上げていくことができるでしょ。

日本人には結構ファンが多い「三国志演義」でも有名な司馬懿(仲達)は、宮廷クーデターにより魏の全権を掌握し、西晋建国の礎を築いたときにこんな言葉を言い放ったと伝えられています。「私は剣を抜いたことは一度しかないが、何十年もの間、剣を磨くことは決して怠らなかった!」

言ってくれますよねぇ、ゾッとするくらい格好いいですよねぇ。

私自身にはもうこの先、剣を抜くような機会はおそらくないでしょうが、仕事柄、子供たちにはそれぞれがチャンスを掴み取るための剣の磨き方を伝えていかなければなりません。

私、合格可能性を尋ねられた際に「問題の出方ひとつ」といった言い方をよくしますが、これって誰に対しても適当に言っているわけじゃあないんですよ。内申点がオール3なくても、偏差値で10や20足りていなくても、そのレベルに特化した指導を受けてきた場合は合格の可能性が残されていますからね。そのために費やされた子供たちの準備は、まさにその勝負の瞬間に勝つため、しっかりと剣を磨いてきたということに他ならないでしょう。

昔、誰かから教えていただいたことがあります。日本中には作家志望という方が幾万とおられるそうですが、その中でその一年間に、たった一本でも原稿を書いたという方は十人に一人もいないということだそうです。「そうなったらいいなあ・・・」、「できたらいいなあ・・・」は単なる願望に過ぎませんからね。まず、そうはなりません。

今日から2学期の授業が始まります。受験生たちに、「怠ることなく剣を磨き上げる」ことを今日も伝授していきます。

Takahide Kita

【本日より、校内掲示を秋バージョンにしてみました】

aki