■中学受験生、みんながんばれ!あともう少しだ!
私、保護者の方によく言うんですが、もし迷っているなら、だまされたつもりでもいいので中学入試の勉強はやらせておいたほうがいいですよ。
第一志望中学に合格できるにせよ、残念な結果に終わるにせよ、私立難関上位中を目指して受験勉強を頑張ってきた中学受験生たちはその時点で同世代の子供たちの中で一定の学力上位層には確実に入っていますからね。中学入試を終えた12歳の時点では結構なアドバンテージをもった有利なポジションをとれているというわけなんですよ。
10年以上前になりますが、新中学1年生の授業を保護者のみなさんに見学してもらったことがあります。15名ほどのクラスでしたが、その中に私立中学を目指して受験勉強を経験した生徒が4、5名在籍していたんです。そこで、座席表を保護者のみなさんにお渡しし、「中学受験をした生徒をあてていただく」といった試みをやってみたんですよね。僅か30分程度の見学時間でしたが、みなさんほぼ完璧に的中されたことを鮮やかに記憶しています。
学校で授業を受けていたり、運動場で遊んでいたりでは全く見分けがつきませんが、進学塾でバリッとした授業に出席させると・・・「ほんとうに、ここまで違うのか!」を実感することになります。授業の聞き方、ノートのとり方、問題を解くテンポ、質問などの発言のタイミング、それらすべてにおいて全く異なる生き物のように見えるでしょうね。
「12歳における完成度」を競う中学入試、もう目の前まで迫っています。本番までに残された授業回数も数えることができるほどになってきました。以前にもこのコラムに書きましたが、毎年中学入試が近づいてくると同じ言葉を子供たちに掛けている私がいます。「最後まで頑張って、やり抜いて、それで不合格になっても、誰も君を責めないよ。お父さんも、お母さんも、誰もあなたを責めたりはしないからね。」
この子たちには、第一志望中学の合否結果にかかわらず、今現在その手に掴んでいるポジションを大事にして、そこからそれぞれの未来を切り拓いていってもらいたいと心から願います。なんせ、私自身も通ってきた道ですから。
Takahide Kita