コラム

■ここにも「デザインシンキング」?

数日前の日経モーニングプラスの報道内容によれば、最近の繁盛店のポイントは陳列などの見た目だそうです。まあ、「そだねー」といった所感ですね。表題の「デザインシンキング」というのは最近になってしばしば耳にするようになった経済用語で、一言でいえばトータルパッケージとしての商品の見せ方や売り方のことですね。

これは個の技術を主体とした職人気質に寄って立つことの多い日本の会社が比較的不得手としていると言われているもので、日本企業にはトータルで見せるといった「戦略」が欠如している、なんてよく言われちゃいます。日本の場合は多くが「現場主義」で、質の良い「いいモノ」をより安く提供すれば、お客様は必ずわかってくれるという考え方なんでしょう。

この時期の学習塾の広告宣伝活動においても、「これもデザインシンキング?」なんて思わせるようなモノが目につきます。「無料」や「No1」が氾濫しているのは従来どおりなんですが、チラシを見た人の心の隙間に上手く入り込んでくるような心地良いフレーズが見てとれるようになってきましたね。「これ、ほんとうに見せ方が上手いなあ」、「この程度のことをここまでデフォルメできちゃうんだ!」と思わず唸ってしまうようなことさえあります。

一方で「人を見た目で判断するな」という昔ながらの教訓があります。私も全くもってその通りだと考えます。しかしながら、このフレーズの下の句は・・・「中身で判断しろ」ですよね。見た目どおりだったときは・・・商品やサービスの場合は「ひと安心!」なんですけど、対象が人の場合は「残念!無念!」というか、人に関する限り見た目どおりの場合のほうが圧倒的に多くありませんか。

昔、こんなことがありました。私の部下で言うことだけはデカいんですが仕事をはじめとしてあらゆるものがかなり「ルーズ&ダーメ」な奴がおりましてね。要するに「勘違い」の典型例なんですけどね。彼がよく言っていましたよ「おれは中身で勝負する」ってね。

「あのね、例えばビルゲイツが日本の総理大臣とノーネクタイにデニムで対談していたとしても誰も違和感持たないでしょ。そう、ビルゲイツには圧倒的な中身があるから。でも、お前はネクタイにスーツ着てなければ人前に出せないのよ。もうこれ以上言わせるな!」なんて説教したことを記憶しています。

私の感覚では「見た目で人を判断するな」と声高で言う人のほうが、そうでない人に比べて、見た目で人を判断しがちですね。気が小さいのに悪ぶって見せたり、自分を大きく見せようなんて御仁が多いようにも感じます。だって、しっかりと中身を備えて自分自身に自信を持っている人はそんなことを言う必要は全くないですからね。

私たちPEGは「人を見た目で判断するな、中身で判断しろ」を地でやっていきたいと強く考えます。というか、「見た目で判断することなく、中身を作り上げる」といったほうがいいかな。そういう意味では、同じ学習塾といってもPEGには競業はいても同業はいませんよね。

Takahide Kita

■今年の入試がすべて完了しました

高校入試の結果だけを端的に言えば、受験生の3分の1が都立入試を待たずに私立付属校に進学し、残りの都立を受験した子たちの半数が都立高校に進学、そしてその残りの半数が「まわれ右!」をして中大付属や日大二高などの私立付属に決まりました。私立入試の仇を都立で見事に討った子もいましたし、自校作成校の合格者も輩出することができました。

本日の都立高校合格発表を受けて、すべての子どもたちとの面談を行いましたが、そこでは「一人ひとりのこれから先」をしっかりと話すことになりましたね。早々にその足で駅前の書店に向かい数学Ⅰや数学Aの参考書を手にした子どもたちも多かったと思います。「おめでとう」の言葉は今日以降しばらくの間、数多くの人からかけてもらえるでしょうから、私の役目は次に向けての標を示すことだと考えています。

とにかく、2月の私立中学入試に始まった2018年入試の1ヶ月が終わりました。もう梅の花が見頃の時期になっています。

今年の卒業生たちがこの受験を通して手にした「ご縁」を大切にして欲しいなぁ、と思うと同時に、これからの彼らに幸多からんことを心から祈らずにはいられません。

Takahide Kita