コラム

■ここでも、ついでに「姫路」などはいかがでしょうか

兵庫県姫路市、西は赤穂から東は加古川に広がる播州平野の中心地で、人口約50万余りの地方中核都市です。歴史のある城下町で、なんといっても世界文化遺産、国宝「姫路城」のイメージが強烈ですよね。

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このお城、一度来られた方はよくお分かりかとは思いますが、とにかくデカい!天守閣に登るのには少々の覚悟が必要ですよ。400年ほど前に建てられた当時のままの姿ですし、内部の階段もえらい急です。大阪城のようにエレベーターなんかもありませんから、足腰に自信のあるうちにいらっしゃることをおすすめしますね。私も、2年前に登った際には、とにかく汗だくになってしまいました。

お城以外でも北の方に、西の比叡山といわれる「書写山円教寺」なんてのもあります。比叡山と同様に、山全体に伽藍が配され、神々しい空気に包まれた異空間といったところでしょうか。私も、小学生の時に林間学校で行った記憶があります。当時は大型の馬が曳く馬車などもありましたね。

姫路は地方都市といっても、それなりの人口がありますので、一通りのものはだいたい揃っています。いわゆる名産品というものもありまして、私のおすすめは、「姫革」と呼ばれる白なめし革の加工品と明珍の火箸風鈴ですね。牛革を伝統技法で白くなるまでなめした上に、鮮やかな彩色を施した細工品で、見た目がほんとうに綺麗です。イタリア製の皮革製品にも白はありますが、これらの多くは黒や茶色の上から塗色をしたもので、原色が白というのは珍しく貴重なんだそうです。明珍の火箸風鈴は、とにかく音色がこの世のものとは思えないくらい素晴らしいですね。しかも、播州鉄の甲冑師の流れをくむ明珍一派が鍛えた鉄ですから、そこらの刃物では全く太刀打ちできません。とにかく丈夫ですから、一度手元に置けば、一生モノですよ。

一方、姫路は瀬戸内海に面していますから、海の幸をはじめとした食べ物にも恵まれています。浜の方から上がる、鯛やメバル、タコに穴子といった食材は子どもの頃から馴染んだ大好物です。あと、西の端っことはいえ、関西圏ですので、いわゆる「粉モノ」も一通り揃っています。ただ、姫路に限らず、兵庫県では「粉モノ」にマヨネーズは決してかけません。そもそも、店に置いていないんじゃないかな。たこ焼きは、明石が近いこともあり、いわゆる「明石焼き」とか「卵焼き」と呼ばれる、例の「フワフワ、トロッ」をカツオ風味のお出汁につけていただくのが主流ですね。

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そうそう、そういえば姫路でしか食べられないものに「えきそば」というのがありますよ。これは関東なんかでもよく見かける「駅にある立ち食いそば屋」を略した名称ではなく、固有名詞としての「えきそば」です。姫路駅のホームはもちろん、駅前からの大通りや地下街を歩いているとこの看板が目に入ってきます。

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「ただのそばではありません」とありますが、関西風の出汁のきいた薄口味の「ただのそば」です。ただ、少々風変わりなところがありまして、そば自体の色が白なんです。初めて口にされる方はかなり違和感があるでしょうね。ちぢれていないラーメンの麺をそばのようにいただくといったイメージでしょうか。

加えて、お土産用に絶対おすすめなのが「書写千年杉」というロールケーキです。かつて、姫路城に映画のロケでいらっしゃったトム・クルーズさんが、一口食べて、そこにあるだけ全部を大人買いされたことでも知られています。昔ながらの「小倉あん」と「ゆず風味」のものがありますが、甲乙つけがたいですね。甘いものが苦手な私でも美味しくいただけますし、とにかくお土産で差し上げたスイーツの中では評判は抜群です。先に紹介した特産品もそうですが、こちらも「お取り寄せ」が可能なようですから、ネットで検索されて、是非召し上がっていただきたいものです。

最後に、姫路城大手門の脇に護国神社という立派なお社がありまして、まあ、規模を小さくした靖国神社といったところでしょうか。

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今回、こちらにお参りさせていただいた際に、ちょっと珍しいモノをいただきました。まあ、今風といえばそうなんですが、疫病退散の「アマビエ」の御札です。私は、アマビエなんて、ゲゲゲの鬼太郎の中でしか見たことがありませんでしたが、とりあえずはご利益を期待させていただくことにして、自宅の玄関にでも置いておくとします。

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例年でいえば、年に何度も頻繁に訪れる私の故郷「姫路」ですが、今年はこんな社会情勢ということもあり、従前のように気兼ねなく行き来できるというわけにはいきません。一日も早い日常の回復を祈るばかりですが、今のところは、アマビエさんに一層の奮起を期待するしかなさそうです。

Takahide Kita

■お彼岸

みなさんは「お彼岸」って意識されていますか?もちろん、キリスト教やイスラム教の信心をなさっておられる方もいらっしゃるでしょうから、全ての人にとって大きな意味を持つといったものではありません。私の実家は浄土真宗なもんですから、お盆に正月、それと春秋のお彼岸はそれなりの意味を持ったイベントなんです。

今年はコロナウイルスの感染拡大の影響もあって、お盆の期間に帰省、お墓参りができませんでした。もう、ここしかないとの思いで、お彼岸にあわせて姫路まで墓参に行ってきましたよ。他人様からは「今どき、律儀なことですよね」なんて言われることもしばしばです。

こうなったのも、私、こう見えても結構古くさい家の育ちでして、子どもの頃には日曜日の朝からお祖母ちゃんと一緒に仏壇磨きなんかをよくやりました。法事なんて、今どき珍しく50回忌まできちんとやります。要は線香の匂いのする家庭で育ち、様々な先祖供養の「決めごと」が自然と身にしみついてしまったというわけなんです。そりゃ、少々面倒に感じることもありますが、一年に幾度かはご先祖様のことを思い出すのも悪いことではないでしょうし、私自身も自分が逝った後、50年とは言わないまでも、家族にはたまには思い出して欲しいですからね。

ところで、うちのお墓は、姫路の市街地からは少し離れた名古山霊園という見晴らしのいい高台にあります。その日は彼岸の御中日ということもあって、周りのお墓もほとんどが、きれいに掃除が済んで、献花がされていました。

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その中で、うちのはですね、とにかく墓石に年季が入っておりまして、大正年間に新調したものだそうです。古くからある家の分、墓石も古いといったところです。母親と一緒に草取りをして、花をお供えし、最後にろうそくと線香をともしてから、両手を合わせて「南無阿弥陀仏」という段取りで、ひとまずは完了です。あとは、いつものように、母親がお墓に向かって「お父ちゃん、来たよ・・・」てな感じで家族の近況を報告しています。まるで生きている父親に話しかけているようで、我が両親のことながら、なんとも「ホッ」と温かい気持ちにさせてもらえますね。

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それから、もう一仕事ありまして・・・うちの家から出た立派なご先祖様の記念碑などが墓に隣接した場所に建立されており、こちらのほうにも草むしりと献花をさせていただきます。トータルで1時間半といったところでしょうか。やっとこさ我が家の「墓参り」ミッションが完了です。

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正直に言いますと、幼い頃は、ここに来ること自体にあまり意味が見い出せず、億劫でしたよ。そもそも、そこに入っている人に直接会ったり、話した記憶もありませんでしたからね。でも、歳月とともに、祖父母、親父と順に逝ってからは随分と身近な場所になったように感じています。墓参を終えて帰るときに、「ほんじゃあ、また来るよ!」と声に出してつぶやいている自分がいますね。

ところで、いつも墓参りを終えると、不思議と気持ちがスッキリするんです。なんかひっかかっていた仕事を上手く終えたあとの爽快な気持ちとよく似た感じですかね。この気分を味わいに、また次もここにやって来るということになります。

Takahide Kita