■受験校を絞り込んでいく時期になりました(3)~それだけはアカンて!~
昨日から受験生の最終面談(受験校決定)を始めています。学校での面談が12月初旬から順次入ってきますので、その前に細かく打ち合わせをしておく必要がありますからね。
やはり、今年も都立高校を含めると1人あたり平均5~6校の受験になりそうです。うちの場合、滑り止めを除けば固く合格が見込めているケースはほとんどありません。開校が夏期講習からでしたので生徒一人ひとりの伸びしろがまだまだ残っていますからね。だいたい模試の合格可能性でいえば10%から40%あたりの学校をズラリと並べる感じでしょうか。2月に受験する学校を2カ月前のこの時期に決めるのですから、まあそうなりますよね。
一方で、学校の面談のほうではとにかく「固―く、コンパクトに」おまとめになられようとされます。
これも例年のことですが、「君の内申だったらT高校かJ高校のどっちかの推薦をとったほうがいい」なんて具合です。でも、この2校がまた丙丁つけがたいんですよ。腐ったケーキか腐ったシュークリームをどっちか食べろ、と言われても困りますよね。フランス料理のフルコースとまではいかないものの、なか卯の定食か大将の餃子セットぐらいは食べさせてもらえるようには準備してきましたからね。
ちゃんとした受験勉強をやってきた受験生は決して食べてはいけません!お腹をこわします。もしかすると3年間にわたって下痢が続くかもしれません。
もう一つ、ここから入試本番までの期間で絶対にやってはいけないことは、塾に隠して受験校を勝手に変更することです。受験校は第一志望校を中心にひとつのパックになっています。ひとつ入れ替えると他の受験校も連動させて入れ替える必要が出てくる場合があります。私がこれまで担当した生徒・保護者の中にもこれをやっちゃったケースが10数件あったように記憶しています。
これ不思議なことに、かなりの確率で不幸がおとずれます。というより自ら不幸を呼び込みます。脅しているわけではありません。まともな受験をやってこられた進学塾の先生に聞いてみてください。ほとんどの方がそう言われると思いますよ。
老子の「無用の用」って言葉をご存知ですか。
たとえば、幅30センチ、長さ10メートルの板があったとします。地面の上にこれを置いてその上を歩けばまず渡りきれますよね。でも、この板が地上100メートルのビルの間に架かっていたとしたら・・・まず落ちます。この場合の地面が無用の用です。あたり前のことですが、いざとなった時に出願していなければ受験することはできませんからね。
来年の2月10日にきっとどこかで大バーゲンをやっていることを楽しみにしながら、また今回もスリル満点の入試になりそうです。
Takahide Kita