■シナジー(相乗効果)
私の自宅の近くに大型の食品スーパーが新たにオープンしました。しかも、駅前徒歩30秒といった立地ですから、オープン前から盛況は約束されたようなものです。連日、駐車場はほぼ満車状態で店内にも人が溢れています。なによりなのは、駅前を行き交う人の数が以前とはまったく変わってしまい活気に溢れてきたことです。休日の午前中なんかは家族連れで歩道が少々歩きにくいほどです。
さてさて、それまでは新聞の折込チラシなどもほとんど見た記憶もないような、近所のドラッグ&食料品ストアが、チラシを投下し激安バーゲンを始めました。さらに、年末を前にしたこの時期、そこからさらに徒歩1分の場所で新装開店した老舗大型スーパーもこれに加わりました。縄張りを賭けた「仁義なき戦い」のスタートといったところでしょうか。
3日とおかず新聞に折り込まれるチラシには、「地域一番の価格で勝負」とか「ポイントの貯まり方は地域No.1」なんてように明らかに競合相手を強く意識したフレーズが並びます。まあ、モノの値段ですから、学習塾のチラシのように「無料」の連発とまではいかないようですけどね。
とにかく以前に比べると明らかにサービスの向上が見られます。私たち消費者の側から見れば、価格競争に加えて各店のブランドや品質においても競争しておられるようなので、この年末の買い物を通じて様々見極めていく必要がありますよね。
このような状況下で、少しばかり気になっているお店がありまして、覗いてみたんですよ。駅から歩いて1分ほどにある「昔ながらの魚屋さん」なんですけどね。私の場合は、年に5~6回かな、季節の祝い事やお客様を自宅にお招きするような際の食材の調達ぐらいにしか利用しないんですけど。これが驚くことに・・・以前どおりの活況なんですよ。年配の御婦人方が店の店員さんと楽しそうにやり取りしながら今夜のおかずの品定めをされているといった様子です。旬の魚をこちらの希望どおりに捌いてくれたり、私が今までにやったことのない調理法なんかも教えてくれたりと、たしかに使い勝手はとってもいいんですよね。スーパーには置いていないような食材もありますしね。たとえば、この時期が美味しい「どじょう」なんかもありました。しっかりと活きたまま酒の中につけてあって、買えばその場で下ごしらえもしてくれますから、自宅に帰ったらすぐに柳川に変身できそうな感じです。要するに、販売データに基づいてボリュームゾーンを集中的に狙うようなスーパーとは真逆の客層によって支えられているんですよね。駅の近くに人が増えたことによって、大きなチャンスに恵まれているようにすら感じられました。
もう一ヶ所は、これまた「昔ながらの八百屋さん」なんですが、こちらは・・・残念ながら閑古鳥といった様子でした。たしかに魚などとは違って付加価値(調理までの手間おとし?)を付けにくい商品を扱っていますから、大手スーパー同士の価格競争の影響が直撃しているようです。何とか知恵を絞って頑張ってほしいものです。
私たちPEGの目標は、さしあたってはこの「昔ながらの魚屋さん」でしょうか。大手にできないことをきっちりやり遂げていく。ボリュームゾーンを狙った広告競争などとは別の場所に立って、生徒・保護者のみなさんに最高のコストパフォーマンスを提供する。そして、子供たちの最も大事な数年間を私たちに託していただいている全ての方々から他をもって替え難い「Only One」の評価をいただきたいものですね。
Takahide Kita