■根拠のない自信
「おれ、○○高校から国立大学の医学部行って、多くの人の命を助けるんだ」なんてね。現状はさて置いてのこういったフレーズ、私は結構好きなんですよ。嘘からでた真実とまでは言いませんが、何か大きな可能性を感じることができますからね。
今の子供たちに一番足りてないのもこういったところじゃないかな。妙に現実的で面白みのない子が多いですよね。自分の発した言葉によって、自分自身が拘束されることを嫌うというか、もしダメだったら恥ずかしいとかいったところなんでしょうか。自分が大きなことを宣言することで、その目標に向かって頑張れたらそれでいいと思うんですけどね。頑張って、やり抜いて、それでダメだったら、頭をかきながら笑ってごまかせばそれで済む話じゃないですか。誰も責めたりなんかしないでしょう。
一方で、最近気になっていることに「結果にコミットする」といった売り文句があります。TVコマーシャルでも有名になったスポーツジムなんかが真っ先に思い出されますよね。
学習塾にも最近増えてきました、「合格保証」とか「○点以上成績が上がらなければ授業料は全額返金します」なんていった、この種のキャッチフレーズ。
うまく考えましたよね。昨今の子供たちや保護者の心理をほんとうにうまくついています。先に述べたように、みなさん自信がない、自分自身にコミットすることを避ける。そんなときに、誰かが自分に対してコミットしてくれるわけでしょう。そりゃ魅力的に映りますよね。すがる思いで飛び込んでいきたいでしょうよ。
ところで、私の知りたいのは、実際に目標未達になって、返金が発生するケースはどれくらいあるのか、といったところですかね。ここでの主体は企業ですから、利益にならないような仕組みにはなっていないでしょうし・・・ほんとうに興味深いですね。
やたら成績や合格校のコミットラインが低いとか、3つも4つも付帯条件や但し書きが付いていて返金までのハードルが高いとか、そもそもが一定の返金発生率を前提に試算した高額な授業料になっているとか・・・そんなんじゃなければいいなぁ。
「上から下まで、全ての講師が腹をくくって、大きなリスクをとって、預かった子供たちの成績を本気で上げにかかる、合格を獲りに全力で取り組んでいる」、そんなふうであって欲しいですね。それこそ「根拠のない自信」程度で行き切れるような軽い話しではありません。全ての学習塾が目標とすべき「高み」にあると言っても過言ではないでしょうね。
Takahide Kita