■私の嫌いなもの「後知恵」
ものごとの結果が出た後で、あたかもはじめから分かっていたかのようにあれこれと講釈をする方、いらっしゃいますよね。もちろん、結果を詳細に分析して次回の成功につなげるようにすることは大事なことなんですが、多くの場合はそうなっていないように思われてなりません。
以前に同じ職場におられた国語担当の方は、文章を読んで問題を解くということを全くしません。まず添付の解答を教材に丸写ししてから、その答えになるための理由を後付けされていました。これでほんとうに子供たちの国語力が伸ばせるのか、いつも疑問に感じていたものです。
私の担当する数学でこんなことやっていたら、その場で「解らせる、納得させる」ことはできても、自分自身で問題を解いて正解までもっていくことは絶対にできません。生徒が試験会場で実際に解いている視点に立っての指導であることが不可欠ですね。
入試においても合否結果が出たあとになって、「絶対無理だと思ってたよ」、「前々からあの学校が難しくなることは明らかだった」なんてね。じゃあ、あらかじめ言わんかい!事前にわかっていたなら対応の仕様があったはずでしょう。
逆に、一杯いっぱいまで頑張って合格を勝ち取ったのに、「今年はあそこの学校はスカスカで、合格ラインは相当低くなることはわかっていたよ」とか平気で言っちゃうんですよね。
例えは悪いですが、戦場から遠く安全な所にいる人ほど、弁舌さわやかで、理屈を頼み、かつ好戦的な方が多いですよね。私たちの場合でも、現場から遠くにいる(もしくは現場から遠ざかろうとする)人ほど、何でも知ったように振る舞い、「理屈だおれ」で「後知恵講釈」の方が多いように感じます。
もし、私や私の仲間たちにこのような気配を感じたら、遠慮なく指摘してください。必ずや謙虚に受け止めさせていただくと同時に、その救いに大いに感謝します。
Takahide Kita