コラム

■PEG半年間の「通信簿」

PEG進学教室としての初年度入試を振り返って、ありのままを以下のとおりお伝えします。

中3在籍数9名

12月期会場テスト 偏差値平均58.3

最終内申点平均(素点)32.7

以上に対して、上記在籍生徒の進学決定校9校の合格基準偏差値平均は65.3

具体的には、立教2名、中大杉並2名、日本女子大1名、明治学院東村山2名、聖望学園(S特待生)1名、都立昭和1名でした。

以上の客観的な数値を踏まえて、開校7ヶ月での入試としては一定のアウトパフォームは出来たかなとは思いますが、評価については皆様にお任せいたします。

ただ、少々残念だったことが二つほどあります。

ひとつ目は早慶まであと一歩届かなったこと。願書の2本出しも含めてギリギリまで可能性を追いかけましたが、結果は補欠待機まででわずかに及びませんでした。付属をやるからにはテッペンに立たせてあげたかったですね。

あとひとつは先月24日の都立入試に受験者を1名しか送り出せなかったことですかね。こちらは内申持ち点を考慮して合格可能性の残っている都立高校とすでに合格していた私立高校を比較した場合・・・残念ながら1名を除いて棄権せざるをえませんでした。加えて、将来の進路希望から考えて、大学入試にまわるよりも付属高校で確定したほうがリスクが小さいとの判断もありましたね。

入試を終えたほぼすべての子供たちはすでに次のステージに向けてのスタートを切っています。数学Ⅰなどの参考書を持って毎日のように自習室にやってきます。なにやら頼もしく感じるとともに受験のテクニック以上に大事なことがしっかりこの子たちには伝わっていたんだなと・・・「ホッ」とさせられます。

Takahide Kita

■第一志望合格率90%ってなに?

例年、入試の時期が終わると学習塾の広告(チラシ)が新聞に折り込まれてきます。たまに「圧倒的合格率!第一志望合格率90%!」なんて見出しが目に入ります。

私の場合、入学試験での第一志望合格率なんてあんまり考えたことがありませんでしたし、そもそもこういったフレーズは好きじゃないですね。

というのは、しっかりと勉強を進めていけば第一志望なんてものはどんどん変わってきます。日大系付属が第一志望といって入塾した生徒が中央、立教、最後は早稲田なんていうように志望校の上方修正をくりかえした例をあげれば枚挙に暇がありませんからね。入試が始まったあとに第一志望の上方修正なんてのもよくあることです。

かつて担当したクラスで在籍全受験生が早慶付属以上に合格したことがありましたが、開成第一志望の子が開成×、学大付属○、慶応義塾第一志望の子が慶応志木と早稲田実業にしか合格できなかったりなど・・・結果、第一志望合格率は60%程度だったと記憶しています。

中央や立教を確実に通そうとすれば、その子に早慶水準の指導をしなければなりません。その指導をしっかりと効果あるものにするためにはその子自身が強く「早稲田に合格したい!慶応に通いたい!」と思うことが必要です。そうなった時点ですでに第一志望が変わっているわけですから、今度は早稲田や慶応に合格しなければ第一志望合格にはなりませんし、完全な達成感は得られないということになります。ある意味で両刃の剣のようになってしまいますが、このリスクをとらなければ子供たちの力を伸ばしきることはできないようにも思えます。

「第一志望合格率90%!」私に言わせれば、こんなの意味のない単なる数字と言葉の遊びにすぎませんね。なにより胡散臭いでしょ。ちなみに本年度入試PEG1期生の第一志望合格率は30%といったところでしょうか。さらに私個人の場合、中学入試から大学入試、資格試験まで通じて第一志望合格率は0%でした。

Takahide Kita