コラム

■「縁」を結ぶ

今月から新年度の小学部がスタートしました。新たにPEGの生徒になった子供たちが少々緊張しながら教室の中に座っています。先週初めて問い合わせをいただき、面談のうえ3月からの入塾手続きを完了した中学生たちが3月からの受講に備えて早くも事前学習を開始しています。

つい先日までは、道ですれ違っても見ず知らずの他人だった子供たちや保護者のみなさんとご縁をいただき、これからは真剣に向き合いながら人間関係のパイプを太く、強くしていくことになります。

ここまでの私立高入試において合格を手にした受験生たちは、中央、立教、日本女子大、明治学院などに進学先を順次決定しています。3年間を過ごす場所、そしてそこで出会う人たち・・・新たな「縁」を結んでいきます。

例年、受験が終了し受験生たちを卒業生として送り出す際に必ず伝えておくことがいくつかありますが、その中の一つに「これからの自分の置かれた場所を大事にしなさい」というのがあります。みんな、時間が経つとともにその有難さを意識しなくなっちゃうんですよね。これだけ懸命に頑張ったこと、自分自身でリスクをとって果敢に挑戦したこと、そして家族をはじめとしてそれを支えてくれた人たちのこと。その上に「今の自分の居場所」があるんですよね。

それまでの縁を大切にしながら、新たな縁を結んでいく。以前お仕えしていた会社の上司に教えていただきました、「自分が渡ってきた橋は大事にして、決して壊すようなことはしてはならない」ってね。

それぞれの最高峰を目指してほんとうに頑張ったこの子たちのこれからが良き縁に恵まれ、幸多からんことを願わずにはいられません。

Takahide Kita

 

■「先憂後楽」

これは、私が普段の生活をしたり、仕事をする上での座右の銘です。そうそう、岡山後楽園の語源にもなっているあれです。

本来の意味は中国北宋時代の「天下の憂えに先んじて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」といった政治家の心得を示したものなんですが、私の場合はそんなたいそうなものではありませんから、少々意味を勝手に変えさせていただいて使っております。(もちろん、子供たちに話す際には誤解しないようにちゃんと語源どおり正しい意味を説明してはいます。)

私ってほんとうに面倒くさいことが大嫌いで、すぐに楽をしたがるタイプなんですよ。だからいつも「どうしたらもっと楽ができるかなぁ」なんて考えちゃいます。「えーっと、来週の仕事で楽をするには・・・」とかね。自宅でも動くときは、往復とも手に何かを持っていることが多いですね。消耗品なんかも安いときに買っておきますから、いざ使うときになって慌てて買いに行くなんてことなどはほとんどありません。

仕事でも子供たちには「もっと楽をすることを考えろ。そのためにどうすればいいかを考えろ!」なんてよく言いますよ。入試本番で楽をさせるために、周到な準備をするんですよね。他が10分かかる問題を3分で片付けるような仕込みをするわけです。

さて、明日から東京と神奈川の一般入試が始まりますが、入試本番に向かう子供たちに「最後の最後まで諦めずにしっかり考えて頑張って来いよ!」ってよく聞くフレーズですよね。まあ、その通りといえばそうなんですけど。実際は、そこにたどり着くまでの指導内容や学習時間で8割がた勝負の結果は決まっているんですよね。残りは受験倍率と入試問題の出方かな・・・

今年のうちの場合は筑駒や開成に願書が出ているような子はいませんから、入試本番でしっかり考えなきゃならないような状況に陥るケースはほとんどないと思います。落ち着いて、正確に「作業」を進めることができれば大丈夫ですね。

さて、そろそろ子供たちもやって来ました。受験校別の最終チェックと実際の入試問題を使ってのイメージトレーニングを始めるとします。これが今年度の受験生に対する実質的な最後の指導になりますね。

Takahide Kita