コラム

■今まであたためてきたものを少しずつ形にしています

「中学受験はしないんだけど、こんな真面目な講座もあっていいんじゃない」というコンセプトで、この2月から「小6アドバンスコース」を開講します。

他塾にもこのタイプのコースは存在しますが、私の知る限り私国立中受験や公立中高一貫校受験のコースに比べると学習内容があまりにも軽すぎるし、スタッフにおいても見劣りする場合が多いですね。

例年、中学1年生の指導を行っていますが、中学入試の勉強をやっていない子供たちの学力状況というか学習内容の定着度が年々厳しくなってくるのを感じます。勉強することに対するストレス耐性もかなり弱くなってきています。「もっと小学生の間にこうしておけばなぁ・・・」と思うことしばしばなんですが、思っているばかりでは何の解決にもなりませんから、その「こうしておけば」を具体化してみました。

まずは、前にこのコラム欄でも取り上げた「中学生になる前にやっておくべきこと」を学習面できっちりやらせていきます。

具体的に、勉強に対する構えの部分では復習ノートの作成と点検を完全にやりきり「できるようになるまでやる」を習慣化すること。そして、在宅学習用の教材を提供し、発展学習部分の添削指導を行うことです。

指導教科のカリキュラムについても私たちが考える「本来あるべき形」に組み替えました。算数は、(1)小数・分数計算で私立中入試にも耐えられるレベルまで定着させる。(2)最も差がつく単元(単位量・割合・比)の指導に質、量ともに特化する。(3)中学入試特有の「○○算」や「面積図による処理」などは割愛する。国語は、(1)中学レべルまでの漢字力を先行、習得させる。(2)徹底した記述中心の指導を個別に添削も行いながら進めていく。

もちろん、これらはベストなメソッドとして固定化されたものではありませんから、生徒指導の過程でよりベターなものがあれば随時、追加と修正を行っていきます。

すでに何名かの入塾手続きを完了している子供たちもおり、先月から準備学習を行っています。この子たちが今から1年先にどのように成長しているのかを考えるとほんとうに楽しみですね。

Takahide Kita

■これって「おもしろい」ですね!

東京都は私立高校の実質的な授業料無償化の方向性を決めましたよね。世帯収入の制限は付いていますが、親の財布をあまり気にせずに進路を選択できるという点で勉強を頑張っている中学生には朗報です。

私は朝食をとりながら東京MXの番組テロップで初めてこのことを知ったんですが、その時にふっと二つのことを考えました。

まず第一は、この制度が導入された場合、都立高校の統廃合が進むのかということです。都立難関上位校といわれる進学重点校やそれぞれに特色を出そうとしている単位制の都立、そして職業科はいいとして、それ以外の「とりあえず普通科」高校はどうなっちゃうんでしょうね。授業料が安いということ以外にこれといって強調材料がないですからね。存在意義を問われることは必至でしょう。

従来はこれらの都立高校が担っていた役割を私立の中堅以下の高校に振り向ける。まあ、これぐらいの政策意図がなければ、単に教育関連の歳出が増えるというだけになってしまいますからね。それに、都立高校には広大な敷地と建物があるでしょ、これって様々に転用できるんじゃないでしょうか。目下の需要の高いところでは、老人福祉関連の施設をはじめとして保育所、託児所併設型の公共施設なんかにすれば見事「あわせ技一本!」ということになると思いますよ。

もう一つは、この制度導入以降の成績上位生の志願者動向と上位各校の受験状況の変化についてです。まあこれは純粋に進学塾の講師としての興味なんですけどね・・・

いろんな大手進学塾さんや模擬試験の運営会社さんがこれから様々なファクターを研究、分析していただいて説明会資料などにまとめていただけると思いますので、そこはお任せしておくとします。ただ、私立の難関上位校、なかでも進学校については確実に「選別と二極化」が進むと思いますよ。また、この十年余りの間に高校募集を停止した中高一貫型の進学校が高校募集再開なんていうのもあるかもしれません。

なんか、ほんとうに楽しくなってきちゃいました。

Takahide Kita