コラム

受験校を絞り込んでいく時期になりました(2)~偏差値からわかること~

受験校を決めていく際には、模擬試験の偏差値や合格判定ってやっぱり大事ですよね。でも、これだけに振り回されちゃいけません。偏差値からわかることは、絶対に合格できる学校と、絶対に不合格になる学校でしょうか。

たとえば、一般入試での基準偏差値67の○○高校・・・

偏差値が常時70台の受験生、これはまず合格。偏差値が常時40台の受験生、こっちは合格可能性0。あとは入試問題への適性(教科バランスなど)と対策によって合否が分かれますよね。

もちろん、偏差値と合格率には正の相関はあります。でも合格判定Aで合格を手にする受験生は合格者全体のどれぐらいになるんでしょうかね。おそらく2割もないんじゃないかな。

各進学塾から出ている合格体験記、「ぼくは模試ではずっと合格判定がAだったので余裕をもって合格しました」なんてのはまず見ないでしょ。「私は模試のたびに合格判定がC、D、Eばかりで・・・(中略)・・・それでも諦めずに頑張った結果、見事合格を勝ち取ることができました」といったのばかりですよね。

第一志望には最後の最後までこだわっていきましょうよ!

明治に行くなら、早稲田に落ちて行けばいい。立教に行くなら、慶応に落ちて行けばいい。

可能性がほんとうに「0」になった時点で私がはっきり言いますから!

Takahide Kita

昨日は、久々に「おもしろいモノ」を見せていただきました!

私はものごとを最初に始めた人や厳しい状況からスタートしたにも関わらず最後まで行き切った人が大好きです。心から賞賛しますね。

昨日のアメリカ合衆国大統領選挙におけるトランプ氏もそうです。

私たちのフィールドで言えば、上品で内申点の高いクリントン女史に下品でいい加減な内申オール3(教科によっては1もあったようですが)のトランプ氏が入試本番で勝利したわけですからね。しかも、これがほんとうに強い。

長い選挙戦の最中、「トランプリスク」などという言葉が世の中に出まわり、自身の目指す成功が世界中の人たちからリスクと認識されてしまう。普通の人ではこんなの耐えられないでしょ。私なんか心が折れてしまいますよ。

ところで、昨晩のトランプ氏の勝利演説をご覧になられましたか。私は演説をTVで見ていて、「おや、こっちは漢の高祖とは逆か・・・」などと感じました。

漢の高祖(劉邦)は強大な敵である項羽に何度も敗れ、苦境に立たされながらも最後はこれを滅ぼします。その過程での劉邦は人を大事にし、情け深く、いわゆる「人たらし」であったと伝えられていますが、ひとたび権力の座に着くやそれまでの功労者たちをことごとく排除して400年にも及ぶ劉氏の漢王朝を築きました。

一方で、トランプ氏は選挙戦の最中は暴言ともいえる過激な発言や行儀の悪い振る舞いを繰り返していましたが、昨晩の勝利宣言の際は紳士的で礼を失することなく全くの別人のようにみえましたね。

私なんかも、生徒指導の際に意図的に極端で激しい言葉をしばしば用います。右に5動かそうとしたとき、5の力をかけても5の位置まで来ない。10ぐらいの力で右に引っ張って、やっと目的の5の位置まで来る。

選挙中からこの点を指摘していたアナリストの話を私は複数回耳にしました。「トランプ氏は周りに大変気を遣う方で、人の話によく耳を傾けてくれる頭のいい人」だそうです。

頭の良さや非凡を装う凡人はその辺に吐いて捨てるぐらいいますよね。でも、凡人や馬鹿を装う人は・・・怖いですよ。

権力の座にのぼりつめた人は、その過程ではなく、その後の権力の行使や統治の仕方によって後世に評価されます。来年1月からのトランプ大統領、私にとっては大変興味深いですね。

Takahide Kita