■私にも「こだわり」がありましたよ
私の古くからの友人でやたら「こだわり」という言葉を使う人がいます。私より5歳ほど年長の方ですが、車、バイクから食べるものや着るものまであらゆるものに対して徹底してこだわりを主張されるんですよね。口癖は「男はこだわりを持たんとだめだ」です。
まあ、私のほうといえば、食べ物関係でポテトチップスは湖池屋、ヨーグルトはチチヤス、醤油は龍野のヒガシマルといったぐらいかな、と思っていたんです。
ところが、先月自宅にいらっしゃった方に「あんたはほんまに季節感にはこだわるなぁ」なんていわれましてね。「なるほどそういえばそうかもしれない」と改めて思ったわけです。
たしかに自宅の各部屋に飾ってある絵やタペストリーなんかは季節ごとに取り換えてますし、そうしないとなんかしっくりこないんですよね。もうすぐ正月ですが、毎年かならず南天飾りはします。それが終われば、桃の枝を買ってきて出窓の花瓶にさしておく、なんて感じです。
季節の旬の味もほぼ忘れずにいただいています。GWあたりからは幼鮎、夏には鱧、そうそうこれからは寒鰤がおいしいですよね。千枚漬やすぐきなんかもそろそろ店頭に並ぶ頃です。
春になれば、祇園の「都をどり」は必ず観に行きますし、梅雨の時期には自宅近くの高幡不動の「紫陽花まつり」は欠かしません。
「こだわり」って、すでに自分の日常になっていて、人に言われてあらためて気がつくようなものなんでしょうね。
そろそろ冬至が近づいてきたんで、明日あたり柚子でも買いに八百屋をのぞいてみますか。今年の柚子湯は12月21日です。
Takahide Kita