コラム

■過去問の演習はね・・・

塾の先生、これ好きな人多いんですよね。でも、やり方間違えると、あんまり効果がないというか、時間の無駄というか、場合によっては子供たちにとってマイナスになったりすることもありますからね。

私は、原則として入試演習はやりません。ましてや授業時間内にやるようなことは絶対にないですね。だって、時間がもったいないでしょ。ただでさえも、一昔前と違って子供たちの通塾期間年月数が減ってきましたし、そもそも授業時間数自体も軽めになってきていますからね。本来必要なものを指導しきるためには、そんなことをやっている余裕はありませんね。

じゃあ、入試問題への傾向対策はどうしているのかといいますと、私のほうで過去問を整理点検して、来年度入試に出題可能性が一定以上あるものを再編集してやらせていきます。具体的には、過去5年程度に遡って出題されたテーマを消去し、その間に出題されていないものを中心に演習形式の教材に作成していきます。適当な問題が見あたらないようなときは、問題自体を一から作ったりすることもありますね。

上位難関といわれる学校ではその年ごとに出題内容が大きく変化しますし、過去5年間に出題されたようなテーマを重ねて出題してくるようなことはほとんどありません。従って、皮肉なことに「○○高校過去5ヵ年入試問題集」とは、「来年度○○高校には出題されない問題集」ということになるわけですよね。加えて、入試本番では手をつけないほうがいいような問題(いわゆる「捨て問」)を一生懸命に質問したり、復習したり、まあそれ自体は勉強にはなるんでしょうが、たいへん効率の悪い話だと思いますよ。

ただし、以上のことは難関上位校についてのみあてはまることで、中堅以下の学校については、過去問はバッチリやっておいたほうがいいでしょうね。問題ごと覚えてしまうようなイメージでもいいと思います。だって、出題の形式から問題数、分野ごとの出題割合までほぼ同じでしょうから、入試問題を見たとき3年前が今年で、去年が来年、今年が一昨年だったとしても誰も気がつかないといった笑える話にすらなりますね。

先に「原則として入試演習はやらない」と言いましたが、例外は問題の捨て方の練習用として使うことです。ただし、これはかなり完成度の高い受験生が最難関校を受験するような場合の話で、「60分のテストを30分で40点分おさえる」というような形式で問題を解いていく順序や捨て問の見極めのためのトレーニングを行います。残念ながら、ここ数年間はそういう必要はありませんでしたけどね・・・(無念)

もちろん、これは私の担当する数学に限った話です。英語や国語については、話は全く違ってきます。英語などの場合は、その受験校に限らず、同等レベルの学校についてはバンバン入試問題をやっていたほうがいいと思いますよ。だって、素材となる文章自体がかぶってくる可能性が大いにありますからね。というのも、上位難関校では英語の入試問題の原文となる文章自体に適当な難易度のものが少ないと考えられますから、結構な頻度で入試問題が重複するんですよね。毎年のように、英語の講師が「これは平成○○年に△△高校に出た文章と同じだ!」なんて言っているのを耳にしますよ。一般的な高校入試の問題よりは難しく、大学入試レベルよりは若干易しいといった狭い範囲のものを各校の問題作成者が探しているわけですから、ある意味、当然のことといえるかもしれません。言うまでもなく、題材となる文章を一度でも読んだことがある場合は圧倒的に優位になりますよね。

秋の終わりとともに、受験生のみなさんに残された時間もだんだんと少なくなってきました。ここから先は入試本番での得点に直結するような有意義な時間の使い方をして欲しいものです。やるべきことは、まだまだいっぱい残っていますからね!

Takahide Kita

■「季節モノ」ですねぇ

今日は会社のすぐ近くにある大鳥神社の酉の市、「二の酉」です。縁起物の熊手が売れるたびに「三本締め」の威勢のいい声が聞こえてきますね。今年は暦の関係で「三の酉」までありますから、今月末にももう一度こんな風景が楽しめます。私は性格柄「残り福」狙いなので、熊手を求めるのは「三の酉」まで待つことにします。

tori

季節モノといえば、今年もボジョレ・ヌーヴォをいただきました。毎年、贈ってくださる方がいらっしゃいまして、ここ数年は続けて口にしていますね。ただ、お恥ずかしながら、私はワインの味がよくわかりません。「今年のは出来が良くて最高レベルです」とか「昨年に比べて芳醇です」とかワイン通のみなさんがおっしゃっていても・・・正直、ピンとこないんですよね。ただ、季節モノとしていただいています。しかしながら、それだけでは面白くないですから、前の年のものを1本だけ残しておいて、その年のものと飲み比べるようにしてるんですよ。まあ、そうすればワイン音痴の私でも、味の違いくらいは楽しめますからね。

wine

そうそう、あともうひとつありました。「水仙」、これ、今ごろに球根植えておけば2月から3月ごろに綺麗に咲きますよね。ちょうど私たちの仕事が落ち着いた時期に清楚な真っ白い花を咲かせてくれます。鉢植えの咲いた花を買ってくるのもいいですが、種や球根から育てたものはまた格別ですからね。

季節モノを楽しむためには、あらかじめの準備も必要ということですね。今日は日本水仙の球根を買って帰るのを忘れないようにしないといけません。

Takahide Kita